飛行機のビジネスクラスとエコノミークラスの違いを比較してみよう。
いよいよ海外旅行再開が本格化してきたが、皆さまは予定は立っているだろうか?この記事では陸マイラーの視点で料金差額や人気のCAさんのサービス、マイルや特典航空券についても比べて考察する。
運賃差額(値段の差)は元より空港や機内でのサービスにも大きな違いがある。同じ飛行機でもビジネスクラスとエコノミークラスでは全く違うのだ。
ビジネスクラスに搭乗経験のない人は多いかもしれない。けれどもJALやANAの場合はマイルを貯めてアップグレードや特典航空券で経験するとができる。そしてビジネスとエコノミーには料金の高さ以上の違いがあることを知ってしまったのだ。
若い頃、エコノミークラス専門の旅人だった僕が、初めてJAL国際線のビジネスクラスに乗った時にはこう思った。
「天と地ほどの開きがあるじゃないか…」
今日は料金だけじゃないビジネスクラスとエコノミークラスのサービスの違いを比較しよう。まだ搭乗経験のない人にも解るように、ひとつずつ解説していきたい。
そしてもうひとつ、ビジネスクラスの値段が高いと諦めていた人に向けてメッセージを送りたい。なぜなら僕は金持ちでも出張族でもないが、20回近くJALビジネスクラスに搭乗してきた。
それはなぜだろうか?まだ、あまり多くの人に知られていない裏技についても解説していこう。
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目次
JALビジネスクラスとエコノミークラスの違いを比較 値段やサービス、ラウンジ利用の有無などその差は歴然
JALビジネスクラスとエコノミークラスの違いは天と地ほど。同じ飛行機の話なのに比較相手にならないくらい快適さが違う。
基本的なサービスの違いはどこの航空会社も共通点が多い。ビジネスとエコノミーの航空券には下記のような差が存在する。
・空港でのサービスの違い
・座席の広さの違い
・機内での食事や飲み物の違い
・預け入れ荷物の違い
・etc
もちろん上記には航空券の値段(価格)に大きな開きがあるのが前提になる。
両者の違いはスペックだけにとどまらない。スペックでは測ることができない「快適さ」にも繋がるため、旅の疲労度合いや時間短縮にも大いに役立つようになっている。
JALビジネスクラスとは?
JALビジネスクラスの概要を説明しよう。
日本航空の公式サイトでは国際線ビジネスクラスについて下記のような記述がされている。
JALビジネスクラス:お客様1人1人に上質で快適かつ自由な時間を。
・座席:最新鋭のフルフラットシートなど、ゆっくりとおくつろぎいただける空間を実現
・食事:世界中の空の上で、シェフが技と心を込めた、新しい魅力溢れるメニューをどうぞ※JAL公式サイトより
エコノミークラスと比べて、料金が格段に高いだけあってスペック的には申し分ない。上記の他には空港でのJALサクララウンジの利用や優先搭乗・優先チェックインといったサービスが存在する。
まさに至れり尽くせりとはこのことを言うのだろう。搭乗前から到着までビジネスクラスは上質なサービスを提供している。
ビジネスクラスとエコノミークラスの違い、航空券の印字について
ビジネスクラスの航空券(搭乗券)には「C」という文字が印字される。
それと比較してエコノミークラスの場合は「Y」という文字になる。かなり大きく印字されるので、飛行機に搭乗する時に搭乗口で他の人のチケットの文字を確認するだけで、その人がどのクラスの乗客なのかを判断することが可能だ。
ちなみにプレミアムエコノミーの場合の航空券の印字は「P」になる。
ビジネスクラスはツアー料金が格安という噂は本当か?
ビジネスクラスはツアーで購入すると安くなるという記事を見かけた。
果たしてJALの航空券に当てはまるのかを検証してみよう。
上記はJALのビジネスクラスのツアー料金の画像になる。成田-ハワイの5日間で302,000円が最安値となっている。これは燃油・税金・ホテル代を全て含んでいるので確かに安いかもしれない。
座席クラス | 料金 | 燃油・税 | ホテル代 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
JALツアー | ビジネス | 302,000円 | 料金に含まれる | 2泊分が料金に含まれる | あくまでも最低価格で変動あり |
有償航空券 | ビジネス | 240,000円 | 23,000円程度 | 含まれず | 往復ともに自由に選択可能 |
上記の表は成田-ハワイ5日間のJALツアー(ビジネス利用)と有償航空券のビジネスクラスをほぼ同日程で比較したものになる。
・JALツアー:302,000円(ホテル付・便選択不可)
・有償ビジネスクラス航空券:263,000円(概算・ホテル無・便選択可)
ざっくり比較するとこうなるが、ツアーのホテルはスタンダードクラス、飛行機はビジネスクラスを利用するのに少し寂しくも感じる。
JALエコノミ―クラスとは?
それではJALエコノミークラスについて見ていこう。
同じようにJALの公式サイトをみると下記のように記述されている。
JALエコノミークラス:楽しさにも品質がある。移動の時間に+αの価値をお届けします。
座席:足元が広くなった最新シートでエコノミークラスがより快適に。
食事:日本で広く愛されている有名店、ブランドとのコラボレーションメニューなど、空の上ならではの自由な発想で生まれたオリジナルメニューの数々を、ぜひお楽しみください。※JAL公式サイトより
こちらはビジネスクラスと比較するとキャッチコピーはライトな仕上がり。ただ、経験者として言えるのはJALはエコノミークラスを他の航空会社と比較すると、
「JALエコノミークラスは座席の足元が広いし、食事が美味しい」
これは人により好みの差はあると思うが、サービスレベルが高いと言われる中東系の航空会社のエコノミーよりも、僕はJALのそれの方が快適だと思っている。JALの国際線エコノミークラスのレベルは世界的に見てもかなり高いはずだ。
値段の違い、ビジネスクラスとエコノミークラスの料金は3倍違う
ビジネスクラスとエコノミークラスの航空券は値段に大きな違いがある。
どれくらいの料金差異があるのか試しにJALの公式サイトで比較してみると、成田-ホノルル間でざっくり3倍ほどの航空券料金の違いがあることが解る。
エコノミークラス or ビジネスクラス | 料金(燃油・税別) |
---|---|
85,000円 |
|
240,000円 |
これだけの料金の違いを払えばビジネスクラスに乗ることが可能になるのだ。エコノミークラスと比較して、ビジネスクラスは非常に高い値段となっている。
サービスの違い
空港でのサービスの違いについてビジネスクラスとエコノミークラスを比較してみよう。
ビジネスクラスがVIP待遇だとすればエコノミークラスは平民扱い。なぜ高い値段の航空券を購入してまで飛行機に乗る人達が存在するのか?そこには飛行機に搭乗するまでの時間を短くしたり、快適にしたりする格差が存在する。
チェックイン、手荷物の個数、搭乗時の違い
ビジネスクラスの乗客はチェックインや手荷物、搭乗の時に優先的に扱われる。
夏休みや年末年始など長蛇の列ができる時期もエコノミークラスのカウンターを後目にして優先的に搭乗手続きを行うことが可能になる。
手荷物も上記の画像のようにエコノミークラスが23kg×2個のところ、ビジネスクラスの搭乗客は32㎏×3個まで可能だ。また搭乗時には他の乗客に先駆けて優先搭乗できる嬉しいサービスが存在する。
JALのビジネスラウンジ「サクララウンジ」を利用できる
JALビジネスラウンジ「サクララウンジ」はビジネスクラスの搭乗券があれば利用できる。
サクララウンジは資格を満たす、限られた搭乗客しか入れないラウンジだ。ビジネスクラスの乗客は数少ないラウンジ入室資格を満たす存在になる。
ラウンジ内では美味しい食事や豊富なアルコールやドリンク、マッサージサービスやシャワーを浴びることもできる。そして驚くべきはそれらの、ほぼ全てのサービスが無料ということだ。
上記の画像はサクララウンジ名物の「JALカレー」。スパイスが効いていて美味しいため、このカレーが食べたいがためにJALを選ぶ人もいるくらいだ。詳しくはサクララウンジの利用方法の記事をご覧いただきたい。
シート(座席)や食事などの差
ビジネスクラスの場合、広いシート座席や美味しい食事のサービスを機内で受けることができる。
エコノミークラスとは全く違う、半個室型の座席は身長180㎝の僕でも脚を伸ばして眠ることができる。もちろんシートをフラットにするのは電動、モニターも大きくて見やすいがエコノミーに慣れていると座席の広さ故に遠く感じてしまうくらいだ。
上記のビジネスクラスのシートはJALスカイスイートと呼ばれるものになる。詳細は「JALスカイスイート搭乗記」をご覧いただきたい。
一方、エコノミークラスのシートはビジネスクラスと比較すると簡素な作りになっている。残念ながらフルフラットにはならない。
ただし、エコノーミクラスのシートピッチが84~86㎝というのは実際に座ってみるとかなり広い。男性でもゆとりを持って座れるのがJALのエコノミークラスの特徴と言えよう。
エコノミーシートの詳細は「JALエコノミ―クラス搭乗記」をご覧いただきたい。
エコノミークラスの食事がプラスチックの容器に入ってくることと比較して、ビジネスクラスでは普通に陶器のお皿に盛りつけられて登場する。
JALビジネスクラスの機内食は豪華だ、この日のメインはステーキになっている。アルコール類もシャンパンや日本酒など、エコノミークラスとは一線を画す品揃えになっている。
味はもちろん、プラスチック容器で提供されるエコノミークラスとは決定的な違いが存在する。
「食事の時にナプキンを引いてくれるし、食器は陶器になっている」
上空1万メートルで食器を落として割ることのないように注意してほしい。
CAさん(客室乗務員)のサービスの違い
当然のようにCAさんのサービスや対応も異なる。
上着を預かってくれたり、事前に食べたいものを聞いてくれたりできるのは、CAさん1人当たりの担当する搭乗客の人数が少ないというのも理由のひとつなのだろう。
ただし、僕が一番感激したサービスの違いはこれだ。
「お客様」ではなく「名前」で呼んでもらえること。
10,000m上空で自分の名前を呼ばれる経験は、ビジネスクラスとエコノミークラスの機内サービスの違いを身を持って体感する瞬間のひとつだ。
ビジネスクラスならCAさんとゆっくり話す時間もある。僕がCAさんに直接どうやったら仲良くなれるかを聞いたお話は「美人CA直伝、客室乗務員をデートに誘う方法」をご覧いただきたい。
エコノミークラスとビジネスクラス、比較すると別世界
JALビジネスクラスとエコノミークラスのサービスの違いは同じ飛行機の中で起きている。
ビジネスクラスとエコノミークラスはカーテンで区切られていて、離陸前と着陸後にしか開かれない。飛行機が空の上にいる間このカーテンの前と後ろでは、
同じ飛行機の中なのに全く違う別世界が存在する。
ビジネスクラスに搭乗しているとエコノミークラスの乗客の密度が果てしなく見えるもの。CAさんは慌ただしく働き、自分のいるビジネスフロアとは全く違う世界を見ることができるだろう。
特典航空券のマイル数の違い、ビジネスクラスの方がお得という事実
JALビジネスクラスもエコノミークラスも貯めたマイルを特典航空券に交換することができる。
ハワイへの往復特典航空券の必要マイル数は下記の通りだ。
搭乗クラス | 航空券料金(税・燃油別) | 特典航空券 必要マイル数 | マイル単価 | 備考 |
エコノミークラス | 85,000円 | 40,000 マイル | 2.13円 | |
ビジネスクラス | 240,000円 | 70,000マイル | 3.43円 | ※マイル数は曜日限定特典 |
こうして表にするとビジネスクラスの特典航空券が割安になっていることに気づかないだろうか?
現金での購入時はエコノミークラスの3倍の値段なのに対し、特典航空券はエコノミーの1.75倍のマイル数で済んでしまう。
特典航空券はJALビジネスクラスの方がお得なのだ。
とはいえ、70,000マイルは大量のマイル数になる。年に1度の海外旅行やJALカードの決済だけで貯めるのは難しい。3年というJALマイルの有効期限の壁も立ちはだかる。
そのため大量のマイルを貯める方法が必要になるが、次の項ではあまり知られてないJALマイルの貯め方を解説していこう。
ビジネスクラスの裏技:第3のマイルを貯める方法
ここでひとつ裏技を紹介しよう。JALマイルは飛行機に乗らずに貯められるのをご存知だろうか?
お金持ちや出張族でない限り、飛行機に乗るのは多くても年に数回しかない。フライトで貯まったマイルと日々のクレジットカード(JALカード)の決済で貯まるマイルを足しても、なかなかビジネスクラスの70,000マイルには届かないのが実情だ。
そこで登場するのが裏技になる第3の手段。現在、JALマイルを貯める方法は大きく分けて3種類あるのをご存知だろうか?
1.飛行機に乗って貯める
2.JALカードの利用で貯める
3.外部のポイントを利用して貯める
最初の2つが直接JALマイルを貯める行為なのに対して、最後の手法は外部で貯めたポイントを最終的にJALマイルに交換する。「間接的にマイルを貯める」という部分が裏技と定義する理由だ。
この裏技は「陸マイラ―活動」と呼ばれる。
では実際に、「陸マイラ―」として活動するとどれくらいマイルが貯まるのだろうか?
上記は僕のJALマイルの残高になるが、これはほとんど飛行機に乗らずに貯めることができた。クレジットカードの決済も利用したが、おそらく2万マイル程度だと思う。
479,581マイル、大量のJALマイルが貯まった。
これだけあれば記事の中で解説した成田-ホノルル間のビジネスクラスの往復特典航空券を家族全員分、予約することが可能だ。
飛行機に乗らず、クレジットカードの決済に頼らずにJALマイルを貯める方法は「JALマイルの貯め方・稼ぎ方」という記事をご覧いただきたい。
また、JALマイルを貯める時にJALカードの発行は必須になる。上記のJALマイルの貯め方で大きく貯めると同時に、日常生活の支払いでJALカードを使ってマイルを細かく貯める形が理想的だろう。
JALカードは現在、お得な入会キャンペーンを開催しているので詳しくはJALカードの入会キャンペーンの記事をご覧いただきたい。
値段と必要マイル数の違いを利用する
JALビジネスクラスとエコノミークラスの違いについてはご理解頂けただろうか?
この記事では2つのクラスの具体的な違いを提示するとともに、値段の高いビジネスクラスに搭乗する為にはどういう方法があるのかを解説してきた。
空港や機内でのサービスの違いは値段の違いとなって表れる。しかし、「マイルを大量に貯める顧客=優良顧客」という考え方に基づいて、航空会社はビジネスクラスの必要マイル数を低めに設定しているのだろう。
ひとつ言えるのはこの制度がいつまで続くかは誰にも分からないということ。もし貴方がビジネスクラスに興味があるのであれば、できるだけ早く行動に移すことをおすすめする。
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