僕が世界で一番素敵だと思った英語の授業~英会話を学ぶことの本質を学んだあの日の授業~

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日本人の僕達は英語教育を何年間受けて来たのだろうか?大学まで卒業すると仮定すると中学で3年間、高校で3年間と大学は必修科目で4年間、合計10年間もの長期間の英語教育を受けた。それでも多くの人と同じように、僕は英会話に自身は持てなかった。英語の授業は好きだったし、テストはそこそこ良い点数を取った。高校時代には外国人教師が来日してくれたり、学生の時はサーフボード片手に貧乏旅行を繰り返したりしても、満足なレベルのアウトプットができるようにはならなかった。今でも僕の周りにはTOEICで900点台を持っているのにロクに喋れない友人が何人かいる。どうしてこうなるのか?それについては僕が30歳を過ぎてから仕事を止めて、英語を勉強するために留学した時に解った。今回は僕が体験した「世界で一番素敵な英語の授業」について語りたい。

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僕は留学時代にイギリスの「ケンブリッジ英検」というテストを受けた。日本の英検のような物だと思ってもらって良いだろう。英検何級相当か?と聞かれた場合は「大体準1級です」と答えるようにしているが、試験内容は英検やTOEICのそれとは重視している部分が全然違うため正確な比較はできないというのが実情である。英検の準1級を受けたことがないのでTOEICを比較に出すが、例えば長文読解問題(Reading)に関してはTOEICは「スピード」が命だ。それに対してケンブリッジ英検は「正確な理解」に重きを置いているので1問1問の文章が極端に長くて時間もたっぷりと用意されている。

 

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受験勉強とは全然違う英語の基準 

ケンブリッジ英検

ケンブリッジ英検のテストはにコミュニケーション能力に重きを置いた問題の作りになっていた。当時のTOEICの参考書を開けばテクニック論が多かったと思う。これは日本の受験勉強の英語にも同じことが言えるのではないだろうか。オーストラリアで一緒のクラスになったヨーロッパや南米の友達よりも、遥かに英語を勉強してきたはずの僕だったが文法以外は彼らに全くかなわなかった。実際にいくつか試験対策は行ったが、テクニックというよりはアウトプットの底力を上げるような勉強の方に時間を割いていたと思う。それは日本で英語教育を受けた僕には決して簡単な道のりではなかったと思う。

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1人の英語教師との出会いが僕を変えた

アシュリー

そんな時に僕は1人の面白い英語教師に出会った。彼の名はアシュリー、地元のサーファーで学校ではアッシュと呼ばれていた。彼のクラスはそこの英語学校でも人気があり、いつも多くの生徒で賑わっていた。口癖はいつも「Hey guys、俺の授業がつまらなかったらいつでも学校に苦情を言ってくれ、お金をドブに捨てるんじゃないぞ」だった。学校には授業がつまらなかったり、やる気のない先生もいたので珍しい存在だったと思う。僕は学校に行く前にサーフィンをしていたので彼のことは早朝の海でよく見かけていたので知っていた。面白そうだと思ったので彼の授業を選択してみることにした。

 

英語を上達させる方法を教える授業

ある日、アッシュが授業の冒頭にこんなことを言った。

 

アッシュ「今日はみんなに英語をもっと上手になる方法を教えてやるぞ」

 

僕は思った、こっちはその為に高い学費を払って南半球まで来てるんだから当然だろうと。そしてアッシュはこう続けた。

 

アッシュ「みんなの中に違う国の人間と恋に堕ちてるヤツはいないか?それこそ英語上達への1番の近道だぞ」

 

同じクラスのイタリア人とスイス人の女の子がちょっと恥ずかしそうに手を上げた。それにつられてブラジル人の女の子も手を上げていたと思う。海外でモテない日本人男子の僕は無関係だった。

アッシュは説明を続けた。恋愛とは相手に自分の気持ちを伝えたくてしょうがないものだ。だから本当に伝えなければならない事がある時に、英会話は飛躍的に上達する。だから伝えたい気持ちを育てるんだ。切ない気持ちとか悔しい気持ちとかを忘れずに自分が伝えたいと思う気持ちを育み続けることで話せるようになるんだ。と、こんな感じの説明だったと思う。

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Accuracy(正確さ)ではなくFluency(流暢さ)

僕が今まで日本で英語を勉強する時にそんな事を考えたことがあっただろうか。関係代名詞の使い方とか、前置詞の後は名詞扱いだから「ing」をつけたりとか、そういうことばかり考えていた。テストや受験勉強が体の芯まで染み付いてしまっていたのだ。アッシュが言うには正確さではなく流暢さを大事にした方がいいという。そうじゃないと英語を話すことが楽しくなくなるじゃないかと言わんばかりだった。「イギリス英語を学ぶ日本人は幸せだ。ヨーロッパでアメリカ英語を話しても相手にされないが、Kings Englishを話せばそれだけで親しみを持ってくれるぞ」と。これはある程度話せるようになってから気にしてみたが、あまり関係ないんじゃないかと僕は思う。

僕が日本に帰って来てからも愛用している英語の本がある。それが「英語耳」という本だ。英語には日本語には無い発音が存在するので最初はみんなその部分でつまずく。それを解りやすく説明しているのが「英語耳」である。Amazonのレビューを見るだけでも使いやすさが分かると思う。

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世界中の愛してるを学ぼう

愛してる

その後は世界の各国の「愛してる」を学んで、お互いに言い合ったり(これは恥ずかしかった)しながら授業は進んだ。「アイラブユー」「ティアーモ」「ウォーアイニー」「アクチンタカム」など一瞬、僕には滑稽に聞こえる響きもその国の言語を話す人々にとっては美しい響きに違いない。なぜなら僕たち日本人にとって「愛してる」はとても美しい言葉だからだ。これらを使うかどうかはその人次第、僕はいつか使うかもしれないと思い、しっかりとノートは取ったけど未だにそのノートは役に立っていない。

 

世界で一番素敵な英語の授業

熱狂する生徒達

続いてアッシュはCDラジカセを取り出した。そして何やら身だしなみを整えるような仕草を見せ、カウボーイハットを被ってからこう言った。

 

アッシュ「もう一つ英語を上達する方法があるぞ、それは文句を言う時だ!」

 

そう言ってから音楽を流し始めた、ノリノリのダンスミュージックだ。その音楽に合わせて体を動かしながらポーズを決めるアッシュを見てクラスのみんなは口を開けてきょとんとしている。

 

アッシュ「俺の名はアシュリー、女の子みたいな名前だけどイケてる英語教師だ。頭脳明晰、ファッションセンスは抜群で誰からも愛されるナイスガイだ」

 

当時はまだ、留学したばかりだったので詳細は違うかもしれないがそんな感じで自画自賛し始めた。しかもグラビアアイドルがカメラの前で決めポーズを次から次へと決めるみたいにしながらだ。

 

アッシュ「さあ、みんな!俺に文句を言うんだ。俺はそんなにナイスガイかい!?」

 

彼はプロレスラーがするように手の平を上に向けて指でこちらを煽っている。そしてドイツ人の女の子が言った。「No!ちょっとハゲかかってるしね、あたしハゲはタイプじゃないの」。続いてスペイン人の28歳の男が「年齢より老けて見えるよ」と言う。それからは皆、口々に彼の文句を言った。「その帽子ナンセンスだわ」とか「自分で思ってるほど授業が面白くねーぞ」とか、とにかくみんなでアッシュのあることないことを英語で文句を言う。もはや授業とは呼べない状況だがこの日の教室は今までにないくらい、めちゃめちゃ盛り上がった。

15分くらいそれを続けてから文句を浴び過ぎて疲れが見えるアッシュは音楽を止めた。

 

そして彼は満面の笑みを浮かべて僕達にこう言ったのだ。

 

「みんな、分かったか?英語はそうやって伝えて上手くなるんだ」

 

さっきまでの興奮とは打って変わって教室には沈黙が訪れた。でも生徒達はそれぞれ活き活きとした目でアッシュの事を見つめている。みんな何か大事なものに気づいたみたいな顔つきだった。僕は人生で10人以上の英語教師を見てきたけど、「英語を学ぶ事の本質」に触れた教師はこれまでひとりもいなかったように思った。「英語とは本当に伝えたい事を相手に伝える手段である」と教えてくれたアッシュの授業は間違いなく僕に大きな影響を与えた。これが僕が体験した「世界で一番素敵な英語の授業」である。

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その後、アッシュと僕は親友になる

これは後で聞いた話だが授業とは言えボロクソに言われるのはあまり気持ちの良いものではないとアッシュは僕に話してくれた。ちなみに多国籍な生徒を抱える英語クラスでは毎日色々事件が起こるみたいで、以前に「Japanese sea」と書いてある世界地図をクラスで配ったらそれを見た韓国人の女の子が泣きながら猛抗議してきたこともあるらしい。「何でなんだ?」とアッシュに聞かれたので僕はこのセンシディブな問題に「お互いの国の主張の違いだよ」とだけ答えておいた。

アッシュとは在学中に仲良くなり、卒業後も一緒にインドネシアにサーフトリップに行ったりした。「いつか子供達に英語を教える仕事がしたいんだ」と、夢を語ってくれた彼は今では夢をかなえて子供たちに英語を教えている。アッシュのことだから小学校でもきっと人気者だろう。もしも英語を学びたいと思っている人がいるならば、自分が伝えたいと思う相手や気持ちを大切に育んでもらいたい。そうすれば必ず英語は上達できると思うから。

 

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